環境への取り組み

当社では環境への取り組みとして、社屋屋上に太陽光発電システムを設置し、全社的にCO2の排出削減に取り組んでいます。
また、太陽光発電システム導入に関して日本物流新聞の『環境新時代』に取り上げられた内容をご紹介します。

2007年4月25日 日本物流新聞 の記事より
●環境新時代
 『太陽光発電システム、NEDO (新工ネルギー・産業技術開発機構)と実証実験』


入りロドアを開けると、まず、正面の液晶テレビに目が吸い寄せられる。酸性雨による被害を受けた森林、海面上昇により沈みゆく南の島国…画面は次々に地球環境被害の深刻さを報じる。
その下に流れるテロップには「本日の発電量62kWh」の文字。名古屋市中区に本社を構える機械・工具商社 「マルマン商事」では、社屋屋上に設置した太陽光発電システムの発電量を、エントランスで確認できるのだ。 次に変わった画面では、「石油代替量 (18?灯油缶換算)0.8缶」「C02排出抑制量11.7kg一C」「森林面積換算120.3平方?」など、発電量を地球負荷低減効果に換算した数値が示される。同社・鈴木俊雄社長はモニターについて、「社員はもちろん、来社されるお客様にも環境負荷低減に向けた効果が分かりやすく、目に留めていただきすい」と話す。
マルマン商事が太陽光発電システムを設置したのは今年3月。新社屋の建設及び旧社屋の改修にあたり、「地球環境負荷低減に向け、商社として何ができるかを考えた」(鈴木社長)ことが設置のきっかけだった。
「容量は180Wのパネル57枚で約l0kW・産業用として国との共同研究 (今回申請)の対象となります。年間1万kWhの発電量で、1日では平均30kW程度です。4OWの電球なら70本(1日10時間程度の通電で)ぐらいの電力ですから、事業所の電力負荷低減という点では効果は小さい」と鈴木社長。

効果を期待しているのは意識面の変化だ。「事業所における電力使用量や発電量、地球環境被害の深刻さを日々、常に意識することで、社内の環境意識を向上させる」のが狙いだと言い、新社屋では事務所の照明に人感センサーを設置してムダを省いたり、美化活動を徹底するなどの取り組みを行っているそうだ。
同社では愛知県下においていち早く、工場環境の向上に役立つ環境優良商品販売に注力してきた。「近年はユーザー様の環境意識も少しずつ変わってきました。工場環境改善に関する総合展示会・環境展でも5年前なら、ただ見て回るだけのユーザー様が大半。環境商品は単独ではなかなか利益に結びつきにくいものだと、二の次にされてきたのですが、最近では製品に対しての熱心な質問や、引合いも多くなってきました」と鈴木社長。
「町工場などでも現場の美観や空気・音環境、省工ネ効果に配慮していなければ『取引先から良い仕事ができると認められない』という意識がでてきたように思います。そんな中で、生産活動に直接携わらない我々商社の人間がいくら言葉や概念で 『環境は大事だ』と話しても、ユーザー様の心に響かない。まずは自社で環境負荷低減に向けた行動を積極的に展開してはじめて説得力が生まれるのではないでしょうか」と強調した。


太陽光設置に要した費用は約1000万円。NEDO (新工ネルギー・産業技術開発機構)が実施する「太陽光発電新技術等フィールドテスト事業」(平成18年度)に応募し全国207カ所の事業所申の1カ所として採用されたため、NEDOから設置費用の半額補助を受けたが 「それでも計算上、イニシヤルコスト回収に40年かかる」とか。ここからも、コストより環境意識向上を狙った同社の意気込みが感じられるだろう。

今後、マルマン商事では4年間にわたって発電量などを計測し、一般にデータを公開していく。こうしたNEDOとの共同研究は、特に急がれている太陽光発電の産業・公共施設分野への導入を促進するためのものだ。
02年3月に制定された 「地球温暖化対策推進大綱」では2010年度までの太陽光発電導入目標を累積482万kWと設定している。対して05年度までの実績は約130万kW。
うち住宅用が8割を占め、住宅用と同等の潜在ボリュームを有する産業・公共施設用への導入は急務の課題である。
マルマン商事での事例や設置コストの負担などを考慮すると、今後、商社などこれまで導入が進んでこなかった非生産分野では特に、「コストメリットよりも環境意識の向上を重視する」(鈴木社長)企業が広がり、業界全体の環境熱を高めることが必要であるかもしれない。